胆道
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合流部結石に対する鏡視下手術の手技と治療成績
長谷川 洋坂本 英至小松 俊一郎
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2007 年 21 巻 2 号 p. 171-177

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抄録
合流部結石は鏡視下手術が極めて困難な病態と考えられてきた.われわれは,直接胆道造影所見から本症を2型(A,B)に分類し,それぞれの型に応じた術式を考案した,A型は胆嚢が著明に萎縮している型で嚢状部の切開のみを行い結石を摘除する,B型は胆嚢管が著明に拡張している型で経胆嚢管的に結石を摘除するというものである,この方針に従って術式を選択することにより,安全に鏡視下手術を行うことが可能となった.1993年からの合流部結石手術例は11例であった.型別では,A型6例,B型5例であった,開腹移行はなくすべて鏡視下に手術を完遂できた.手術時間は,平均230分,入院期間は平均19.1日であった,合併症は認められず,長期の経過観察でも胆管狭窄は認められなかった.以上の方針,術式に従って治療を行うことにより,鏡視下手術が合流部結石治療の選択肢の1つとなりえると考えられる.
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© 日本胆道学会
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