胆道
Online ISSN : 1883-6879
Print ISSN : 0914-0077
ISSN-L : 0914-0077
十二指腸乳頭部腫瘍の内視鏡的乳頭切除術早期合併症に関する研究
岡野 直樹五十嵐 良典三浦 富宏三木 一正
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 21 巻 5 号 p. 623-629

詳細
抄録

背景: 十二指腸乳頭部腫瘍に対し完全生検や治療目的で内視鏡的乳頭切除術が行われているが,まだ胃や大腸のように確立した手技とはなっていない.今回我々の施設で施行した内視鏡的乳頭切除術症例の早期合併症を検討し,安全性について評価した.
方法:対象は2002年10月から2007年4月までに内視鏡的乳頭切除術を施行した20例で男女比は11:9,平均年齢は68.9±11.8歳(34~89歳)である.術後に可能な限り胆管および膵管へのドレナージ術を施行した.
結果:全例一括切除可能で,早期合併症としては6例に出血を認めたが内視鏡的に止血可能だった. 輸血を必要とする例はなかった. 3 例に膵炎, 1 例に胆管炎の合併を認めたがいずれも保存的に軽快した. 穿孔はなく致死的な合併症もなかった.
結論:内視鏡的乳頭切除術は,診断および術前後の管理を十分に行えば安全に施行することが可能である.

著者関連情報
© 日本胆道学会
前の記事 次の記事
feedback
Top