胆道
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漿膜下層浸潤胆嚢癌に対する至適術式の検討
信岡 隆幸木村 康利大野 敬祐西舘 敏彦秋月 恵美水口 徹向谷 充宏平田 公一
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2007 年 21 巻 5 号 p. 630-636

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抄録

教室で経験した漿膜下層(ss)浸潤胆嚢癌(以下ss胆嚢癌)44症例について解析し,術式の在り方について検討した. 5生率は50. 2%であった. 肝切除付加群で有意に予後が良好であったが,肝切除範囲の多少では有意差を認めなかった.膵頭十二指腸切除術(以下PD)群の3生率は83.3%と良好であったが,胆管切除群との間に有意差は無かった.郭清度D1以下群に比しD2以上群で予後は有意に良好で,とくに頸部,胆嚢管癌でその意義が伺われる傾向にあった.
予防的系統的肝切除, 予防的リンパ節郭清としての胆管切除・PD付加の意義は不明瞭であった.D2以上のリンパ節郭清と肝切除を伴う根治的手術がss胆嚢癌の至適術式と考えられた.

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