胆道
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胆嚢管走向異常症例の検討
原 均磯崎 博司森田 真照石橋 孝嗣谷村 雅一秋元 寛仁木 正己奥田 準二岡島 邦雄
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1994 年 8 巻 3 号 p. 204-208

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抄録

胆嚢結石症例における胆嚢摘出術は, 開腹から腹腔鏡下へと移行している. しかし, 術中胆道損傷も少なくない.
過去8年間の胆嚢結石症および胆嚢ポリープ489手術症例 (開腹胆嚢摘出術: 421 例, 腹腔鏡下胆嚢摘出術:68例) につき, 胆嚢管走向異常の頻度とその診断法および術中胆道損傷頻度につき検討した. 1)胆嚢管走向異常症例は26例(5.3%)であった. 2)診断法はERCによる直接造影が有用であった. 3)術中胆道損傷の頻度は胆嚢管走向異常型(7.7%)が正常型(1.9%)より高率であった.
以上より, 術前より胆嚢管走向異常の有無を確認することは, 胆嚢摘出術中の胆道損傷を防止する上で重要である. われわれは, 腹腔鏡下胆嚢摘出術症例に対して全例術前ERCを行うとともに, 術中透視による胆道造影を施行し, 胆道損傷のないことを確認している.

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