抄録
十二指腸乳頭部癌切除32例を対象として, 臨床病理学的予後因子と治癒切除後の再発様式を検討した. 生存率曲線に有意差(P<0.05)を生じた予後因子は, 切除根治度, 組織学的リンパ節転移(n), 組織学的十二指腸浸潤(d), 組織学的膵臓浸潤(panc), 静脈浸潤(v)因子であった. また, 組織学的進行度(stage)が高いほど生存率が低下した(P=0.07). 治癒切除後の再発率は37.9%で, 再発例のすべてに遠隔転移があり, 局所再発は18.2%であった. 転移臓器では肝転移が最も多く, 再発例の72.7%であった. 血行性転移陽性例におけるv(+)頻度は, 陰性例のv(+)頻度に比べて高い(77.8%vs42.9%)傾向(P<0.1)があり, v因子は血行性転移の予測因子となりうる可能性が示唆された.