2011 年 2011 巻 13 号 p. 133-137
近年、動物愛護の観点から薬物の安全性評価はできるだけ動物を削減する方向に進んでおり、代替法として培養細胞を用いて評価するin vitro試験のニーズが高まっている。培養細胞を使用することにより、処理できるサンプル数が大幅に増え、新薬開発プロセスの早い段階での評価が可能というメリットもある。その半面、正確性・信頼性の高いアッセイ手法を用い、正しくデータ解析を行わなければ、生体内での事象と乖離した結果を与える恐れがある。またin vitro試験では特定のバイオマーカーを指標として細胞毒性を評価するため、単一のアッセイ手法では総合的な細胞毒性評価が難しい。
本稿では、発光技術を用いた正確性・信頼性の高いin vitro試験法と、複数のバイオマーカーを組み合わせた毒性評価例を紹介する。