2011 年 2011 巻 13 号 p. 142-157
はじめに
げっ歯類であるマウス及びラットは、非臨床試験において最も身近で高頻度に使用されている動物である。すなわち、一般毒性試験、生殖発生毒性試験、遺伝毒性試験、がん原性試験、安全性薬理試験など、多くの被験物質の安全性評価においてマウス及びラットを用いる試験計画が立案され、その試験結果はヒトにおける安全性予測に活用されている。本稿では、日常余り気を留めないで使用されているマウス・ラットに焦点を当て、日常感じている疑問にWistar Hannover系ラットなどの最新の話題を交え、「マウス・ラット試験の諸問題」と題してQ&A形式で取りまとめた。