2011 年 2011 巻 13 号 p. 8-10
レギュラトリーサイエンスという言葉は、和製英語であることは皆さんもご存知だろう。1987年に国立衛生試験所(現在の国立医薬品食品衛生研究所)名誉所長内山充氏が提唱した科学研究の概念である。当時は、1)レギュラトリーサイエンスの目的を新技術、新生産物の品質、有用性、そして安全性を評価して、国民生活と調和させることとし、2)従来の科学研究とは価値尺度を異にして、科学の最新の成果を活用した正確な予測による適正な評価を目指す、3)また、レギュラトリーサイエンスは集団における科学的ルール作りに反映され、行政とそれを支える研究者の使命であると、提唱された。