2012 年 2012 巻 14 号 p. 73-79
ファーマコゲノミクス(PGx)やバイオマーカー(BM)を医薬品開発に用いることで、より効果が高く、副作用の少ない医薬品の創出の促進と実現に繋がると期待される。その一方で、十分な検討を行うことなくこれらを医薬品開発に利用することは、誤った判断に繋がるおそれもあることから、医薬品開発へ広く利用する前の段階で、PGx・BMの利用目的及び範囲などの適格性を確認することが重要となる。PGx・BMを利用した医薬品開発に対する取り組みの一つとして、(独)医薬品医療機器総合機構(PMDA)は平成21年4月から「ファーマコゲノミクス・バイオマーカー相談」を創設し、これまでに非臨床試験でのラットの急性腎障害を検出するための指標として、7種類の新規尿中BMを使用することの適格性確認の評価を行なった。