谷本学校 毒性質問箱
Online ISSN : 2436-5114
再構築ヒト組織
2.臨床医から見た腎毒性・障害評価法
~新たなin vitro試験法の開発に向けて~
喜多村 真治
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2019 年 2019 巻 21 号 p. 46-49

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抄録
 腎臓機能を評価するマーカーは、論文レベルでは多数の報告がなされているが、実験段階に過ぎず、いまだクレアチニンや尿タンパク、病理的解析を超える評価法の臨床現場での活用はなされていない。血清クレアチニンは、筋肉へのエネルギー源であるクレアチンリン酸の代謝産物が、腎臓でのみ排泄されるため、個体の筋肉量の変化が少ないとの仮定の下、排泄量が一定であるとの前提で腎機能の評価項目として用いられている。しかし、クレアチニンは腎臓全体の排泄能低下を反映できても、腎臓のネフロン構造のどの部位がどのように障害されているかなどは反映できておらず、腎臓の各部位の新たな障害バイオマーカーや評価法が求められている。
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© 2019 安全性評価研究会
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