2020年、「ニューノーマル」という新しい生活様式は、新型コロナウイルス感染症が拡大することで様々な社会活動に求められた変化を指し示す代表的な言葉となった。社会活動は、対面型コミュニケーションを制限せざるを得ず、非対面・非接触という新たなコミュニケーションへと大きく変化した。学会、研究会活動の場も例外ではなく、会場での対面型コミュニケーションから、オンラインの仮想空間における非対面型コミュニケーションに移行した。 安全性評価研究会は、長い歴史の中で対面型コミュニケーションを重視した様々な活動を展開してきたが、このような社会情勢の中で活動様式を変化させることで、新たな非対面型コミュニケーションの場、ウェブセミナーを提供し会員に届ける試みを進めてきた。このような環境の中で安全性評価研究会が企画するウェブセミナーは、大きく2つのタイプを企画することからスタートした。1つ目のLectureコース(Lコース)は、従来のセミナーと同様に講義を聴講したうえでQ&Aセッションで議論するタイプのコースである。2つ目のDiscussionコース(Dコース)は、講義を聴講するタイプのセミナーとは異なり、会員限定、少人数でディスカッションを行う新しいタイプのセミナーとして企図した。本稿ではDコースセミナーの開催内容を振り返り、また、今後の活動展望について述べていきたい。