抄録
本研究では、超音波を利用した新しい気体濃度センサについて述べる。本センサ最大の特徴はその時間分解能であり、ミリ秒クラスの時間分解能を持つ。一般的に利用されるガス濃度検出手法としてガスクロマトグラフがあるが、分から秒の時間分解性能しか持たず、高速で変化するガス濃度を検出する目的には利用できなかった。我々は、3mmほどの距離に配置した超音波素子の受信・送信部の間を通過するガスの濃度が変化すると、受信部で得られる振幅に変化が見られるという性質を発見した。そして、この性質を利用して高速で動作する気体濃度センサを構築した。センサの基本性能として、空気(平均分子量28.966)と窒素 (平均分子量28.01)の変化を45dB以上の信号雑音比で捉えることが出来る。