2010 年 17 巻 1 号 p. 29-36
味細胞からの情報を脳に伝える最初の神経である一次味覚神経の活動電位について1930年代から今日までラベルドライン説とアクロスファイバーパターン説の議論の中で知見が蓄えられているが、実験動物によって味覚感受性が異なることから、研究に用いる動物の選択は重要である。C57BLマウスでは1本の神経が応答する味質が少なく、味細胞のターンオーバーや神経再生の際も味細胞-味神経の選択的な結合が神経に決定権がある形でおこなわれ、その関係は厳密に保たれている。味細胞の受容伝達機構、神経結合は徐々に明らかになっている。