日本味と匂学会誌
Online ISSN : 2424-1326
Print ISSN : 1340-4806
特集 歴史学からみる味嗅覚-産業化による感覚体験の変化を事例に
久野 愛
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ジャーナル 認証あり

2024 年 31 巻 2 号 p. 134-141

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抄録
1990 年代以降、欧米の文化人類学者や歴史学者を中心に「感覚史」と呼ばれる研究分野が注目を集めてきた。これらの研究者は、五感の感じ方は個人の主観的で生物学的現象にとどまらず、社会的・文化的要因によっても規定されるという立場をとり、五感を通して社会の変化を理解することで、従来の歴史学的知見に新たな分析視角を提供してきた。本稿は、味嗅覚を中心に、感覚史が発達してきた経緯やその意義について、具体的事例を紹介しながら論じる。
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© 2024 日本味と匂学会
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