日本味と匂学会誌
Online ISSN : 2424-1326
Print ISSN : 1340-4806
ヒト鼻腔化学受容細胞の細胞生物学的研究における最近の進展
高見 茂
著者情報
ジャーナル 認証あり

1998 年 5 巻 2 号 p. 97-108

詳細
抄録

ヒト嗅細胞の分布と特徴、加齢にともなう変化、アルツハイマー病における変化や胎児鋤鼻上皮細胞について、組織細胞生物学的観点から概説した。嗅上皮の呼吸上皮への化生は加齢とともに進行し、嗅細胞数は減少する可能性が高い。アルツハイマー病嗅粘膜の嗅細胞には、脳に特有な病変の構成蛋白が検出される他に、さまざまな変化が起こる。胎児期の鋤鼻上皮細胞は感覚受容をおこなっている可能性もあるが、生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン産生ニューロンの移動にも重要な働きをしているのかもしれない。

著者関連情報
© 1998 日本味と匂学会
前の記事 次の記事
feedback
Top