抄録
日本はストレス社会であり、うつ病患者数が増加 傾向にあるが、抗うつ薬の開発は苦戦していると言 われる。私共は食によるうつ病予防法を確立するた め、うつ病の栄養および代謝特性の解明を目指して おり、うつ病モデルである慢性社会的敗北モデルを 用いて研究している。本研究では、社会的敗北モデ ルマウスやラットのメタボローム解析を中心に行っ た。その結果、社会的敗北ストレスはタウリン代謝 に影響する可能性が示唆された。そこでラットへタ ウリンを 4 週間投与したところ、海馬の MAP キナ ーゼなどのリン酸化シグナルが影響を受け、行動実 験では抗うつ作用が認められた。よって、本研究に より、うつ病発症とタウリンの関係が推察された。