抄録
ヒトへのタウリン投与が長時間運動時の血漿アミ ノ酸濃度へ及ぼす影響を検討した。非鍛錬者(n=16) に、タウリン投与条件と非投与条件の各条件におい て 2 時間の自転車漕ぎ運動を負荷した。投与条件で は 1 週間 1 日 6g のタウリンを経口投与し、運動前 後に血糖値、血漿アミノ酸濃度を測定した。その結 果、運動後の血糖値は非投与条件で運動前に比べて 低下し、投与条件ではこの血糖値低下が有意に抑制 された。タウリン投与によって血糖維持効果が認め られた群(効果群、 n=11)と効果が認められなかっ た群(非効果群、 n=5)に分けたところ、非効果群 では長時間運動後に血漿スレオニン・セリン・グリ シン・フェニルアラニン濃度が低下したが、効果群 ではこの低下が有意に抑制された。タウリン投与に よる長時間運動時の血糖維持に、タウリンがこれら 糖原生アミノ酸動態に影響を及ぼしていることが示 唆された。