タウリンリサーチ
Online ISSN : 2434-0650
Print ISSN : 2189-6232
タウリン蓄積機能の流用による深海底温泉への貝の進出
井上 広滋
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2019 年 5 巻 1 号 p. 11-13

詳細
抄録
深海底の熱水噴出域に棲む二枚貝類の多くは鰓に硫黄酸化細菌を共生させ、共生菌が硫化水素を利用して生産する有機物を摂取している。宿主が硫化水素を取り込み共生菌に供給する際には、ヒポタウリンに結合させてその毒性を回避しているという説が有力である。ヒポタウリンはタウリンの前駆体であり、構造も類似しているため、貝類が一般に持っているタウリン合成・蓄積機構を流用することにより、硫化水素に富む環境への適応や、硫黄酸化細菌との共生が可能になったと考えられる。
著者関連情報
© 2019 国際タウリン研究会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top