2023 年 12 巻 1 号 p. 43-47
CAR-T細胞療法は再発・難治B細胞性急性リンパ芽球性白血病と再発・難治びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対し,2019年5月に保険診療として認可された。がん免疫療法のひとつで,患者自身の血液から免疫細胞であるT細胞を採取してがん細胞を特異的に攻撃できるように遺伝子改変を加えたものを患者の体内に戻すことでがん細胞への攻撃力を高めた治療である。がん細胞を攻撃する一方で自らの正常細胞も攻撃し,サイトカイン放出症候群や神経系症状を代表とする死に至る可能性のある重篤な副作用のリスクがあることから万全の管理体制が求められている。そのため,看護師には異常の早期発見や対処,患者教育が求められ,CAR-T細胞療法を受ける患者・家族に対して安心・安全な医療を提供することが重要となる。