2023 年 12 巻 4 号 p. 259-267
Tisagenlecleucel(tisa-cel)輸注後早期(3ヶ月以内)の病勢増悪/再燃を予測する輸注前因子を明らかにするために,当院の42例を後方視的に解析した。Tisa-cel輸注後の観察期間中央値:8.2ヶ月(範囲:0.2-36.5)で,16例(38.1%)が早期に病勢増悪/再燃した。リンパ球採取前の “primary refractory” 症例,リンパ球除去化学療法前のLDH高値(>1.5×upper limit of normal)および節外病変≥2は,tisa-cel輸注後早期の病勢増悪/再燃を予測する輸注前因子であった。特に,de novo DLBCLかつ “primary refractory” な臨床経過を有する9/10例(90%)は輸注後4ヶ月以内に病勢増悪したため,この患者群において新たな治療戦略を検討する事の重要性が示唆された。