2023 年 12 巻 4 号 p. 208-212
CD19キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法は,B細胞白血病およびリンパ腫に有効であることが示された。現在,多くの研究者がさまざまな種類の癌のためにCAR-T細胞を開発しようとしている。多発性骨髄腫(MM)に対しては,B細胞成熟抗原(BCMA)が優れた標的であることが示された。ただし,MMの治療は依然として困難であり,さらなる標的分子の同定を多くの研究者が試みている。最近GRPC5を標的としたCAR-T細胞の有効性が報告された。また,我々は,活性化型インテグリンβ7がMMに対する非常に優れたCAR-T細胞の標的であることを報告し,現在治験を実施中である。