日本造血・免疫細胞療法学会雑誌
Online ISSN : 2436-455X
総説
CAR-T細胞療法時代の多発性骨髄腫治療の臨床と研究の新たな課題
黒田 純也
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2023 年 12 巻 4 号 p. 213-221

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抄録

 プロテアソーム阻害薬,免疫調節薬,抗CD38モノクローナル抗体の全てによる治療を終えたtriple class exposed(TCE)状態の多発性骨髄腫(MM)に対する有効な治療選択肢は限定的であるが,近年,開発・臨床導入された抗BCMA CAR-T細胞療法であるIdecabtagene vicleucel(Ide-cel)とCiltacabtagene autoleucel(Cilta-cel)は,その克服が期待される新戦略である。これらは共に既存治療に比しTCE-MMに対して,高い奏効率と長期の疾患制御を可能とすることが示されている一方,現状のセッティングでは疾患克服をもたらしたとまでは言えない。本稿ではMMにおけるIde-cel,Cilta-celの効果と限界,CAR-T細胞療法の課題と展望について概説する。

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© 2023 一般社団法人日本造血・免疫細胞療法学会
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