日本造血・免疫細胞療法学会雑誌
Online ISSN : 2436-455X
総説
薬剤耐性グラム陰性桿菌感染症と抗菌薬適正使用
荒岡 秀樹
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2025 年 14 巻 1 号 p. 42-47

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抄録

 抗菌薬耐性(Antimicrobial resistance,AMR)対策は世界レベルの重大な問題である。薬剤耐性グラム陰性桿菌の検出状況は国や地域によっても大きく異なることが知られている。血液疾患患者,特に造血幹細胞移植患者においては,好中球減少やキノロン系薬による予防戦略などの複合要因によって,薬剤耐性グラム陰性桿菌感染症のリスクが高まる。2010年代以降,新規抗菌薬の開発が少しずつ進み,日本においてもいくつかの薬剤が承認,上市に至った。私たちは,感染臓器(適応症),原因菌(適応菌種),薬剤感受性を確認し,抗菌薬を適正に使用して,患者の予後を改善させることが求められている。本総説では,薬剤耐性グラム陰性桿菌の現状,新規抗菌薬の開発状況,薬剤耐性グラム陰性桿菌の治療戦略についてまとめた。

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