2025 年 14 巻 1 号 p. 36-41
北陸の地方都市にある富山赤十字病院に2010年4月に血液内科が開設した。同年10月に1例目の造血幹細胞移植(移植)を開始し,2024年3月までの14年間で同種167,自家104,合計271件の移植を実施した。最近5年間では北陸の移植施設で1位か2位の移植件数となっている。病院の規模が小さいので部門間の距離が物理的・心理的に近く,多職種によるチーム医療が良好になされた結果,移植件数を伸ばすことができた。2018年12月に医療ソーシャルワーカーが造血細胞移植コーディネーターに認定され,2019年4月に当科は移植施設認定基準の認定カテゴリー1に区分された。チーム医療の重要な構成員として若手医師の存在がある。当科では血液内科への若手の勧誘と育成にも積極的に取り組んでおり,現在まで5人の医師が当科で専攻医研修(後期研修)をした。彼らの活躍により血液内科チームは大きく前へ進むことができた。