2025 年 14 巻 1 号 p. 30-35
福島県会津地域において自家末梢血幹細胞移植(auto-PBSCT)を導入し,2013年より2023年に18例施行した。年齢31~68歳(中央値53歳),女性10例,男性8例であった。疾患内訳は,悪性リンパ腫10例,多発性骨髄腫7例,急性骨髄性白血病1例であった。観察期間中央値14.5ヶ月(1ヶ月~9年)で,1例が間質性肺炎で死亡,3例が再発した。予測5年生存率(OS)および無増悪生存率(PFS)は,それぞれ90.9%(95% CI 50.8-98.7%),76.0%(95% CI 40.4-92.0%)であった。この成果は,医師,看護師,臨床工学技士,臨床検査技師など,多くのスタッフとの総力を結集して得られたものである。今後の継続,発展のためには,スタッフの維持と確保,さらには職場環境等の改善が重要である。本総説が,これからauto-PBSCTを導入する医療施設の一助となれば幸いである。