2025 年 14 巻 2 号 p. 57-69
瀉血に始まったアフェレーシスの臨床応用は多岐にわたっている。血漿交換療法などの治療的アフェレーシスや,赤十字血液センターで日々行われているドナーアフェレーシスに加えて,1980年代から始まった末梢血幹細胞採取やCAR-T療法のための自家末梢血単核球採取などの細胞治療のためのアフェレーシスが行われている。アフェレーシスはリスクを伴う侵襲的手段であり,患者・ドナーの安全性確保のために注意深く実施することが要求されている。日本造血・免疫細胞療法学会ガイドライン委員会が造血幹細胞採取を発表した。その中でアフェレーシス実施体制として採取責任・担当医師は関連学会に所属していることが望ましく,末梢血幹細胞採取中は,少なくとも1名の医療スタッフによる常時監視体制が整っている必要があり,学会認定・アフェレーシスナースが在籍していることが望ましいと明記されている。