日本造血・免疫細胞療法学会雑誌
Online ISSN : 2436-455X
総説
当院の移植チームの構築と課題 東北のHCTCからの提言
安斎 紀
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キーワード: HCTC, Tohoku region, LTFU, HSCT team
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2025 年 14 巻 2 号 p. 76-81

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抄録

 東北地方には11の移植認定施設がある。当院では血液内科と小児腫瘍内科で同種移植を実施しており,年間件数は血液内科が約25件,小児腫瘍内科が約10件である。血液内科は県内の移植の多くを担っており,小児腫瘍内科は全国から難治性造血器腫瘍患者をハプロ移植目的で受け入れている。移植後フォローアップの年間件数は血液内科が約60件,小児腫瘍内科が約30件である。東北地方では認定HCTC 11名,未認定HCTC 7名が各施設で活動している。LTFU外来は11診療科で実施している。HCTCもLTFU看護師も各施設で継続した育成が課題である。東日本大震災時には4名の患者が移植を控えていたが,骨髄バンクや中央の移植施設の協力で予定通りに移植が実施され,広い意味での移植チーム力が発揮された。HCTCが移植医療に貢献できるためには,移植チームからの信頼を得ることと,HCTCとしてのやり甲斐が重要である。東北地方は移植施設やHCTCが少ないため,仲間意識や一体感を持てる強みがある。

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