東京未来大学研究紀要
Online ISSN : 2433-5487
Print ISSN : 1882-5273
研究ノート
イメージ画の類型パターン
―ドリンクテイストの視覚化―
髙橋 文子
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2017 年 10 巻 p. 229-237

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抄録

 イメージは、あらゆる時空間の記憶や思考、感情を含むものである。それらをどのように視覚化するかは、造形・美術教育の柱となる内容である。本研究は、イメージ画の類型パターンを認識することで、美的感性と表象のつなぎ方を再確認し、イメージの視覚化にフィードバックすることを目的とする。具体的には、中学1年生のドリンクテイストのイメージ画を、海野弘の装飾文様の類型指標「Ⅰ幾何学的、Ⅱ自然物的、Ⅲ象徴的、Ⅳ記号的」を基に分類を行った。しかし、「具象-抽象」軸に比べ、「形-意味」軸の感受側の捉え方の問題が浮上し、形に意味をもたせるデザインの営みを鑑み、新たな9類型の指標を定めた。横軸を「写実⇔抽象」の「形」レベル、縦軸を「もの⇔象徴」の「意味」レベルと定めた。これらの指標で分類したところ、造形要素の絶妙な構成がなされた優れたイメージ画群は、「半写実半抽象・象徴」「抽象・象徴」レベルに集中した。イメージ画の9類型パターンは、不可視のイメージを可視化して伝達する表現活動の構想及びそれらの理解に有効であるという結論を得た。

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© 2017 東京未来大学
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