2017 年 11 巻 p. 119-129
本研究は、現在の日本における美容医療(美容整形・プチ整形)の経験や興味の実態を確認すると同時に、美容医療に関わる態度、イメージ、そして心理的特徴などについても明らかにすることを試みた。 美容医療の経験のある者は少ないが、興味を有する者は多いことが確認された。そして、美容医療の経験は、他の身体変工の経験と関連があること、興味/経験があるほど社会で美容医療が受容されていると考えていること、プチ整形は美容整形に比べてコンプレックス解消というイメージが無いこと、また、興味/経験があるほど、周囲の人が美容医療を経験したと考えていることなどが明らかとなった。さらに、興味/経験によって、心理的特徴が異なっていた。そこからは、容姿への不満や装った姿こそが本当の姿であるという考えが、美容医療を受けることを推し進め、そして、施術を経験することによって、自己に満足し、新しい姿が自己像として定着していくプロセスが想定された。