今日の社会では、確率教育が大切であると指摘されることが多い。実際に諸外国の教育動向をみれば、確率教育の内容は充実しており、学習時期は低年齢化する傾向にある。一方、現在の日本の確率教育は学習の量、質ともに十分ではないと考えられ、特に小学校では、その教育は意図的にはほとんど行われていないのが実情である。そこで本研究では、これらの問題点を打開する小学校低学年を対象にした確率に関する教育内容(試案)を開発した。実際に事例研究として、小学校第2学年の児童2名を対象に教育内容(試案)による教育実験を行うことから、その効果を検証した。その結果、児童2名の確率に関する認識に変容がみられ、誤認識が一定改善されることが明らかとなった。