2017 年 12 巻 p. 113-121
平成29年3月に保育所保育指針が改定され、新保育所保育指針では、職員の資質向上の章に職場における研修等の項が加えられた。保育所における職員の研修の重要性が強調された改定であるといえる。
H保育園では、2014年度より保育士と研究者が参加する参加型園内研修を継続的に実施している。 2016年度の研修は、研究者の撮影したH保育園の保育実践映像を全員で視聴し、その後映像をもとに意見交換を行うというものであった。研修の事例および参加者の事後アンケートを分析した結果、映像を利用した研修の利点は、映像による記録という特徴から保育実践の状況性を参加者が共有できること、それをもとにクラスを超えた検討が可能となることなどが考えられた。一方、限られた研修会という時間の中で、どの映像を取り上げるか、どのように研修会を構成するか等の課題が見いだされた。