応用教育心理学研究
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保育者効力感と実習の認知変化に及ぼす透過性調整力と非機能的態度の影響− 乳幼児とその保護者とのかかわり体験を通して −
河野 順子龍 祐吉
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2016 年 33 巻 1 号 p. 25-35

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抄録
 本研究は,正規の保育実習を視野に,大学入学早期から段階的に構成された実習体験の効果について,保育者効力感と実習認知の変化を指標として用い検討することであった。また,それらの変化に透過性調整力と非機能的態度が及ぼす影響についても検討し,保育実習指導の示唆を得ることも目的とした。保育を専攻する大学2 年生43 名(男11 名,女31 名,不明1 名)を対象に,地域の子ども子育て支援センターでの実習前後に,透過性調整力,非機能的態度,保育者効力感,実習認知を測る質問紙を実施した。その結果,保育者効力感については有意な変化は認められなかったが,実習の認知は否定的認知が減少し,肯定的認知が増加していた。実習前に否定的な認知をする程,実習後の否定的認知が増加していた。透過性調整力が高い程実習前の保育者効力感を高め,否定的認知を低減させていた。非機能的態度のうちコントロールする態度は保育者協力感を高める方向に影響を与えていた。これらのことから,保育実習指導上の課題を論じた。
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© 2016 日本応用教育心理学会
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