2019 年 13 巻 p. 35-44
問題文に対する解法のように、数学では記号そのものだけでなく視覚的記号によって構成された構造も内容理解として求められる。本稿は、数学学習での学習者にとって、聴く活動がどのような固有性を持つのかについて示唆を得ることが目的である。特に、コンピュータ的思考との対比から学習者の聴く活動の役割について言及した。構造を支える1つ1つの内容を理解し、そこでの話を聴くことにより、頭の中で構造を再構成するという意味で、聴く活動には論理的作用があるといえる。しかし、それ自体はコンピュータにも同様の作用があるため、コンピュータ的思考との対比でいえば数学学習における聴く活動の固有性は直感的作用にあるといえる。