2020 年 14 巻 p. 221-231
従来の近世地域社会論では、それぞれの地域社会の個別性の把握(分現状を克服することは容易ではないが、大島真理夫が提起した「幕藩制支配の地域類型」論を参考にするとともに、その問題点をも浮き彫りに析知)は緻密になされているが、その一般化・普遍化(総合知)がなされているとは言い難い状況にある。しかし、地域社会の個別性の把握と一般 化・普遍化とは矛盾せず、むしろ両立して初めて真の地域社会論といえる。 しながら、最終的に私の研究に引き付けて、地域社会の個別性の深い把握 とその一般化・普遍化の両立に向けた考察を展開した。