近年、教育移転は多様化し、他国の優れた実践事例を取り入れる動きが、国レベルでも、草の根レベルでも起きている。2015年頃から特別活動が中東や東南アジアを中心に実践されている。しかし、一様に見えるこの特別活動への関心も、実は多様なレイヤーがある。エジプトやアラブ諸国では「日本型教育」が規律・協調性の育成を目的として実践されている。シンガポールでは国に貢献する人材を育成するため、市民・人格教育の一部として清掃活動が導入された。一方、インドネシアでは、草の根レベルで、人格教育やアクティブ・ラーニングの手法として取り組まれるようになった。
本稿では、インドネシアY学園における授業研究に特別活動を組み合わせた事例を取り上げ、子どもの学びに焦点をあてた学びの共同体を構築する試みとして紹介する。また、その実践の意義と課題について論じる。