東京未来大学研究紀要
Online ISSN : 2433-5487
Print ISSN : 1882-5273
原著
東京未来大学における初年次教育の取り組み
―初年次必修科目「基礎演習Ⅰ」の事例検討―
小林 寛子杉本 雅彦田澤 佳昭鈴木 亮太
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2020 年 14 巻 p. 69-78

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抄録

 グローバル化する知識基盤社会やユニバーサル段階に達した大学教育の現状から、初年次教育の重要性が指摘され、各大学で様々な取り組みが行われてきている。本論文は、その1つの試みとして、アカデミック・スキルの育成を目指し、学生がその有用性を認識できるよう教材を工夫した「基礎演習Ⅰ」について報告したものである。2019年度に当該科目を受講した76名に、授業前後で学修内容についての理解度と価値の認知をたずねたところ、以下の点が明らかとなった。まず、学修したアカデミック・スキルについての理解度が有意に高まっていた。しかし、学修内容を有用だと感じるといった価値の認知の向上は見られなかった。したがって、今後、理解度の向上に影響した要因について検討を深めていくことが課題として残された。最後に、本論文で報告した事例を踏まえ、今後の初年次教育の在り方として、指導方法を工夫し、その効果について議論する必要があることを述べた。

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