2024 年 18 巻 p. 163-170
日本の小・中学・高等学校の教育課程には、集団的な応援活動が実施されるようなプログラムが多くみられ、児童・生徒はそれらの機会に同級生や仲間、あるいはその家族を巻き込んで応援されたり応援したりしてきた。本研究では、高等学校の応援団を取りあげて、応援時の演技における重要な構成要素である発声に着目し、発声により感情が喚起されるかを検討することを目的とした。本実験は、応援団員と非部員とのエールの発声時における感情喚起に注目し、多面的感情状態尺度により、応援の受け手の感情の分析を行った。その結果、音声のみのエールであっても活動的快感情が喚起される可能性が示唆され、応援団員では訓練期間によって、より強く活動的快感情を喚起する可能性があることが明らかになった。