2025 年 19 巻 p. 145-152
本研究では、我が国の高等教育における学生支援に関する文献の表題に対して、テキストマイニングを用いて各学校種間における研究動向を検討した。対象は2000年以降に我が国で出版された学生支援に関する文献であった。文献はCiNiiから抽出し、分析にはKH Coderを用いた。分析の結果、大学院・大学に関する文献が625件、短大に関する文献が32件、高専に関する文献が9件、専修学校に関する文献が5件抽出された。語と学校種の共起ネットワークでは、大学院・大学と「支援」や「障害」、「学生支援」等の語と強い共起関係が認められた。また、語と学校種の対応関係を検討したところ、大学院・大学と比して、その他の学校種は「学生支援」や「相談」との対応関係が小さいことが示された。学生支援に関する研究には、教育機関の性質や研究環境が影響していると考えられた。今後は大学とのタイアップ等による、他の学校種における学生支援に関する研究の充実が求められる。