2014 年 7 巻 p. 31-42
母親を役割としてとらえたとき、「母親」の役割は自己をどのように位置づけ、どのように行為するべきかという行為予測をもって育児をすることによって取得されていくものとする。母親の子育てにおける語りの分析を行うことにより、「母親」の役割取得過程における省察の構造図を提示した。その構造図は、現在を起点として横軸を過去から未来への時間軸とし、縦軸は下方を状況把握、上方を行為・情報の分析とする円環構造となっており、各事象を行き来する重層的な語りができるようになることが「母親」の役割取得において重要であると考えられる。