近年における釜山港・上海港など東アジア諸港湾の著しい台頭により,かつて東アジアのハブ港として発展してきた京浜港・阪神港など日本の主要港湾は,相対的にその地位を低下させている。そこで,日本政府は,主要港湾の国際的な競争力の強化を目的として,「選択」と「集中」という港湾政策を打ち出した。本研究は,上記のような状況下で,地方港の中でコンテナ取扱量の多い清水港について,そのコンテナ貨物流動の実態を,内陸通関拠点や他港との関連で分析を試みた。
まず,清水港の外貿コンテナ流動について,1980年代と2010年代の比較を行い,静岡県内で京浜港の影響力が低下し,清水港が京浜港のフィーダー港から脱却する傾向が見られるようになったことが明らかになった。次いで,静岡県内の港湾を利用している製造企業を対象としたアンケート調査により,コンテナ流動の実態について分析し,県中部地域は地理的に近い清水港からの積出が多いが,県西部地域は名古屋港の影響を大きく受けていること,貿易相手国が北米からアジア各国が主になったこと等が明らかになった。
「選択」と「集中」を理念として,主要港湾を中心に高度化・効率化をめざした港湾政策の下で,清水港は生き残りのために独自の展開をしている。