本研究は郷土料理や観光客の土産品として利用される自然資源の一例として,岐阜県高山市の朴葉の採集を取り上げ,朴葉採集者の採集活動や調達の形態を分析することから,朴葉の採集がどのように展開しているのかを明らかにした。朴葉採集者への聞き取り調査で得たデータをもとに,朴葉の採集活動について分析し,各人の朴葉の採集や調達が,朴葉の用途に応じてどのように展開しているのかを考察した。その結果,自生するホオノキから天然の朴葉を採集する方法に加えて,私有地や私有林にホオノキを植樹し採集する方法がみられた。労働力不足や山林利用をめぐる権利の厳格化など採集者を取り巻く条件が変化するなか,採集者自らの経営規模や保有労働力に応じて合理的な調達方策をとっていることが明らかになった。