2026 年 78 巻 2 号 p. 65-78
近年のコロナ禍やテレワークの普及,さらには地方創生の流れを背景に,コワーキングスペース(CWS)の数は増加している。CWSには,地域内外の人々をつなぐハブとしての拠点機能も期待されている。しかし,その利用者の特性,とりわけ地域に関連する意識や行動については必ずしも明らかではない。そこで本研究では,大規模なインターネット社会調査(GULP)のデータを用い,CWS利用者の個人属性および地域的な意識・行動(社会関係資本,シビックプライド,居住地選好)を定量的に把握することを試みた。分析の結果,大都市のCWS利用者には若年層や学歴・収入の高い男性が多い一方で,非大都市ではより多様な層による利用がみられた。また,大都市では社会関係資本を豊富にもつCWS利用者が多く,さらに,移動性や移動志向,農村への居住地選好の強さがCWSの利用に関連することも明らかになった。これらの結果を総合すると,地方に展開したCWSがハブ拠点化し,地域内外の関係性の結節点となりうる可能性が示唆される。