2019 年 7 巻 1 号 p. 22-30
現在,凝固検査はフィブリンクロットが形成されるまでの凝固時間のみ測定する。しかし,凝固時間のみでは凝固異常症の凝固機能を評価することは困難であった。今回,APTT の延長あるいはPT の延長を認める後天性凝固異常症(/後天性第 V 因子インヒビター/抗リン脂質抗体症候群)の重篤な出血から血栓傾向までの病態の解明について明らかになったことをまとめ,さらに病態を反映するトロンビン生成試験(TGT)や凝固波形解析(CWA)など凝固機能評価方法について解説したい。また将来実施されていく可能性の高いモニタリング方法の実際についても述べたい。