2003 年 19 巻 2 号 p. 67-78
様々な胃粘膜ストレスは, 胃粘膜細胞死を起こし胃潰瘍の原因となっている.我々はすべての胃粘膜によって, ネクローシスとアポトーシスの両者が誘導されることを見出した.さらに我々はゲラニルゲラニルアセトン, 及び低濃度エタノール処理による熱ショック蛋白質 (HSP) 誘導が, 様々な胃粘膜ストレスによるアポトーシス, 及びネクローシスから, 胃粘膜細胞を保護することを発見した.従って, ゲラニルゲラニルアセトンのような毒性のないHSP誘導薬は, 胃粘膜ストレスによる胃潰瘍に対し有効であると考えられる.