東海北陸理学療法学術大会誌
第24回東海北陸理学療法学術大会
セッションID: P093
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在宅リハに適したアセスメントシートを作成して
*後藤 優香
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キーワード: 在宅リハ, 評価用紙, ADL
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抄録

【はじめに】
在宅での支援を行う上で既存の評価用紙では機能面以外の評価が少なく利用者様の能力の把握を行いにくいと感じる。そのため在宅リハにおける問題点が把握しにくいと感じた。
そこで当事業所では在宅生活に適したアセスメントシートを作成したので紹介を行う。
【既存の評価用紙の問題点】
・環境面が把握しにくい
・介助状態が把握しにくい
・評価結果が在宅支援のプログラムの立案につながりにくい
【アセスメントシートの特徴】
・環境面の評価を追加
・行えない原因を身体、環境、精神面に分類
・ADLを本人側と、介助者側から分類して評価
・活動性の評価を追加
【方法】
既存の評価用紙の問題点を考慮し、改良を行ったアセスメントシートを作成した。
そのアセスメントシートに対し、在宅経験1年未満のPT5名に以下のようなアンケートを実施した。
質問1 既存の評価用紙で利用者様の全体像の把握が行いやすかったですか?
質問2 作成したアセスメントシートで利用者様の全体像の把握が行いやすかったですか?
質問3 既存の評価用紙でのプログラムの立案は行いやすかったですか?
質問4 作成したアセスメントシートでのプログラムの立案は行いやすかったですか?
【考察】
既存の評価用紙は病院での使用を目的としているものも多く、個々の生活環境が大きく異なる在宅では利用者様の能力が把握しにくい。そこでアセスメントシートを使い阻害因子の分析を記載することにより状態が把握しやすくなりプログラムの立案が行いやすくなった。
ADLを本人側からと介助者側からに分類して記載することにより利用者様本来の能力を把握するだけでなく、介護者の介護状態の把握を行え、介護負担軽減のプランニングも容易となった。
また環境設定や福祉用具を使用することで行えるようになるADLが増えることも少なくないため環境設定のプランニングも容易となった。
活動の評価を加えることによって日常の活動性などの把握が行いやすくなった。
【まとめ】
今回、住宅環境や福祉用具、活動面の評価を追加したアセスメントシートを作成・使用した。既存の評価用紙では把握しにくかった阻害因子が把握しやすくなりプログラムの立案が容易となった。
しかし今回のアセスメントシートは弊社のような訪問看護ステーションでは看護師も同行することも多いため、看護面での問題点が把握しにくいことが課題として残る。今後は看護師からの視点も踏まえさらに使いやすいものにしていきたい。

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© 2008 東海北陸理学療法学術大会
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