東海北陸理学療法学術大会誌
第24回東海北陸理学療法学術大会
セッションID: P098
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短期集中リハビリにより早期自宅復帰可能となった症例
*平野 敬子
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抄録

【はじめに】
 今回、早期の自宅への退院希望が強い症例に対して短期集中リハビリテーション等を実施することにより目標が達成できた症例を経験したので報告する。
【症例紹介】
 81歳男性。  平成19年8月9日、右側が動かないとの事で受診し、脳梗塞(左前頭葉)と診断され、発症2ヶ月にて当院転院。  頚椎症の既往あり。  病前右利き(現在利き手交換済み)。  本人need:早く家に帰りたい。散歩がしたい。  家族構成は妻、娘(キーパーソン)の3人暮らし。  性格は頑固、生真面目。  入院時、退院出来なかった事で非常に不満を訴えていた。
【入院時評価】
 ブルンストローム ステージ:右上肢3、手指3、下肢5。  ROM制限:右肩(疼痛により夜間起床する事あり)・手関節、手指。  MMT:左上・下肢5、右下肢4、体幹3。  感覚:右上・下肢:重度鈍麻 左:軽度鈍麻。
 FIM:総合計:89/126点 運動:60/91点(歩行:2点、階段昇降:5点、清拭3点、移乗(入浴)1点、排尿コントロール:2点:導尿4/日) 認知:29/35点
【理学療法プログラム及び経過】
 入院時は、T字杖使用にて歩行自立を目的に筋力増強運動、歩行練習を実施した。また、歩行能力向上が認められた為、独歩練習、応用歩行練習(階段昇降等)を実施した。退院時には、屋内独歩、屋外T字杖(要監視)となった。また、排尿コントロールは投薬ありで自立となった。
 FIM:総合計:104/126点 運動:75/95点(歩行:6点、階段昇降:6点、清拭4点、移乗(入浴)4点、排尿コントロール:6点) 認知:変化なし(29/35点)
【考察】
 本人の自宅への退院希望が強いため、入院時カンファレンスにて、早期自宅退院を目標に各職種による役割を明確にし、チームでのアプローチを開始した。理学療法では歩行能力の向上に対して積極的に関わりながら、同時に試験外泊での具体的な問題点の解決を図った。今回のように、本人にとってベストの個別的な、一人ひとり違った「オーダーメード」のリハビリテーションを実施していく事が重要だと分かった。

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© 2008 東海北陸理学療法学術大会
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