東海北陸理学療法学術大会誌
第25回東海北陸理学療法学術大会
セッションID: O-2
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初期臨床体験見学実習2(1泊2日宿泊実習)における学生の不安に関する調査
*山? 節子大嶽 昇弘木村 小百合笠野 由布子
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キーワード: 宿泊実習, 全人的対応, 不安
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抄録

【目的】 宿泊実習の目的を「利用者の生活全体を見させていただき、一生活者としての利用者を全人的に対応することの大切さを理解する」としている。この実習における学生の抱く不安について検討し、今後の実習のあり方を考察する。〈BR〉 【方法】 対象:理学療法学科2年生45名の内、記載漏れのない42名とした。〈BR〉 手順:調査1― 宿泊実習及び実習3(体験見学6日)における不安を不安調査 票(STAI)を用いて調査した。〈BR〉 調査2― 実習前に自由記述させた不安項目に対し、実習中の不安程度を5段階で回答させた。〈BR〉 調査3―「宿泊実習の目的達成が出来たか」「何を学んだか」を記述させた。〈BR〉 調査日― 1.2は実習前後に、3は実習後に実施した。〈BR〉 【結果】 調査1-1)状態 STAI値によると、不安は実習前に比べ実習後に有意に低下した。(p<0.01)〈BR〉 1-2)不安が高いと見られる学生9名(特性STAI平均値+1SD以上)は、状態不安値が実習後に低下しなかった。〈BR〉 調査2- 「宿泊実習で何を学べばよいか」の不安は、ほぼ全員が感じ実習中も同様な不安を感じていた。「心身状態」「トラブル」「宿泊」に対しての不安は、6割以上が感じていたが、実習中に解消出来ていた。〈BR〉  調査3- 目的達成は「出来た」「少し出来た」40名、「出来なかった」2名であった。「他職種理解が出来た」「生活に対する意欲を感じられた」「生活とは何かが少し分かった」等を学んだ。〈BR〉     【考察】 1 ・実習における学生達の不安は大きいが、実習後には有意に低下した。しかし、緊張が高いと判断した学生達の不安は、実習後も低下しなかった。早期に学生の特性を把握し個別指導に生かしたい。〈BR〉 2 ・宿泊実習では、「何を学べばよいか」の不安が多かったが、ある程度の実習効果を挙げていた。今後はビデオ等を用いて目的を十分理解・考察させ、より効果ある実習としたい。 利用者に対し全人的に対応できる理学療法士を育てるためには、本実習は有効であると考える。  

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© 2009 東海北陸理学療法学術大会
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