東海北陸理学療法学術大会誌
第28回東海北陸理学療法学術大会
セッションID: P-38
会議情報

ポスター
急性期脳卒中における部分免荷トレッドミル訓練の効果
*嶋本 尚恵小口 和代星野 高志山口 裕一鈴木 琢也中嶋 章紘
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【目的】 「脳卒中治療ガイドライン2009」において部分免荷トレッドミル訓練(以下、BWSTT)はグレードBと推奨されているが、急性期のBWSTTに関する報告は少ない。急性期における身体機能の変化に着目し、BWSTTのRCTを開始した。
【方法】 対象は2010年10月から2012年3月に当院に入院した初発脳卒中患者のうち、発症前ADL完全自立、リハビリ室訓練開始時(以下、開始時)に手すり歩行5m要介助、運動負荷禁忌の合併症なし、を満たす24名(平均年齢64歳)とし、無作為にBWSTT実施群(以下、B群)13名(平均年齢62歳)と実施しない群(以下、C群)11名(平均年齢64歳)に群分けした。理学療法頻度は両群共に週5回で、B群はBWSTTを週3回、通常の理学療法を週2回、C群は通常の理学療法を週5回実施した。BWSTT時の歩行距離・速度・免荷量は個々に設定し、必要に応じて体幹伸展、下肢振り出しを介助した。また、両群とも適切な装具を使用した。手すり歩行5m監視となった、あるいは開始時から3週経過した時点で調査終了とした。開始時から手すり歩行5m監視達成(以下、達成)までの日数・開始時と終了時のSIAS下肢運動項目合計(以下、SIAS下肢)・SIAS体幹項目合計(以下、SIAS体幹)・合計歩行距離の平均値、達成時使用装具を群間で比較した。本研究は当院倫理委員会で承認され、対象者には書面で同意を得た。
【結果】 達成者(名)/未達成者(名)はB群4/9, C群4/7, 達成者の開始時の発症後日数(日)/開始時から達成までの日数(日)はB群9/13, C群5/15であった。B群達成者、B群未達成者、C群達成者、C群未達成者のSIAS下肢(開始時/終了時)は0.8/1.5, 0.9/1.9, 2.8/7.0, 1.6/2.7, SIAS体幹(開始時/終了時)は1.5/3.8, 1.0/3.0, 2.8/4.0, 1.7/3.1, 合計歩行距離(m)は667.5, 594.6, 184.0, 133.1であった。B群(名)/C群(名)の達成時使用装具は長下肢装具3/0、短下肢装具1/4であった。
【考察】 B群はSIAS体幹、C群はSIAS下肢が改善する傾向がみられた。B群は懸垂、介助にて体幹伸展活動を促し、長距離の歩行訓練を行ったことで、SIAS体幹がより改善したと考えられる。B群、C群達成者の達成時にSIAS体幹には差はないが、SIAS下肢はB群達成者が低い。また、B群達成者の達成時とB群未達成者の終了時ではSIAS下肢は未達成者、SIAS体幹は達成者の方が高いことから、体幹機能改善が歩行獲得に影響していることが考えられる。渡邊らは身体中枢部や骨盤の姿勢コントロールを回復させることで、より自律的な要素をもつ歩行を再獲得できる可能性が高いと述べている。また、神経生理学的研究ではBWSTTにより脊髄中枢パターン発生器が賦活するとの報告が多い。このことからBWSTTにより体幹機能改善を図り、さらに脊髄中枢パターン発生器を賦活し周期的なステッピング運動を行うことで、麻痺が重度であっても適切な装具使用の下、歩行獲得が期待できることが示唆された。
【まとめ】 急性期から積極的にBWSTTを導入することで体幹機能が改善し、下肢の麻痺が重度であっても歩行獲得が期待できることが示唆された。今回は症例数が十分ではなかったため、数を増やし検討を進めたい。
著者関連情報
© 2012 東海北陸理学療法学術大会
前の記事 次の記事
feedback
Top