東海北陸理学療法学術大会誌
第28回東海北陸理学療法学術大会
セッションID: O-24
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一般口述
6軸加速度計を用いた投球動作の評価について
*小松 淳太浅井 友詞仁木 淳一岡田 真実佐藤 行祐柴田 達也酒井 成輝水谷 武彦水谷 陽子今泉 司
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キーワード: 加速度計, 投球障害, 体幹
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抄録
【目的】 投球動作の評価において、三次元動作解析装置などを利用した評価が可能となっているが、3次元動作解析装置は高価であることや室内の広さなどの理由により臨床現場で扱うことは難しいとされている。また、投球障害では、後期コッキング期から加速期にかけて生じる肩関節外旋運動に伴って症状を呈することが多い。これは、肩関節外旋筋力によってのみ誘導される運動ではなく、下肢・体幹から肩・肘に至る運動連鎖により生じているといわれている。そこで、我々は、簡易小型無線式の6軸加速度計を利用し、投球動作時の体幹運動に注目した評価を試みたので紹介する。
【方法】 対象は、外来にて来院中の右上腕骨離断性骨軟骨炎患者(年齢:12歳、野球歴:5年、ポジション:投手、内野手、右投げ右打ち)とした(以下本症例)。なお被験者には、主旨を説明し同意を得ている。加速度計での計測は、十分なウォーミングアップのあと投球動作を行い、小型無線式ハイブリッドセンサ(Wireless-T社製WAA-006)を用いて、頭頂、胸骨部、仙骨部、足部に装着した。投球フォームはJobe分類を用いてワインドアップ、前期コッキング期、後期コッキング期、加速期、フォロースルー期の5相とした。投球動作開始時の設定には、フットセンサを非投球側の床上に置き、足底離期にランプの消灯を確認した。また、動作確認のため側方及び後方から家庭用ビデオカメラにて撮影した。さらに、今回の指標として健常な野球経験者(年齢:20歳、野球歴11年、ポジション:投手)の測定を行い対照者とした。
【結果】 加速度計を用いた評価では、foot plant時の胸部上下角速度(体幹回旋)は、本症例1468deg/sec、対照者4140deg/secであり、本症例は対照者と比べ、コッキング期での非投球側への体幹回旋が遅い傾向にあった。また、本症例では、対照者に比べ前期コッキング期に投球側への体幹回旋がみられなかった。
【考察】 本症例では、コッキング期での非投球側への体幹回旋(胸部上下角速度)が対照者と比較し遅かった。角速度の波形、動画から非投球側への体幹の早期回旋(体の早い開き)が観察された。体幹回旋速度が遅かった理由は、体幹の大きく素早い回旋運動には、股関節など下肢の動きが関与しているといわれているため、体の早い開きなどにより、下肢から体幹への運動連鎖に問題が生じていたためと考えられる。今後は、健常者での検証を重ね、さらに症例数を増やし体幹、下肢との関連や球速などの影響も含めて検討していきたい。
【まとめ】 加速度計を用いた投球フォームの評価を行い対照者と比較検討した。投球動作は下肢から上肢への運動連鎖であるため、カメラ撮影と簡易小型無線式加速度計を用いることで、各phaseでのタイミングなどの傾向をより簡便に評価できる可能性があると考える。
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© 2012 東海北陸理学療法学術大会
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