Trends in Glycoscience and Glycotechnology
Online ISSN : 1883-2113
Print ISSN : 0915-7352
ISSN-L : 0915-7352
シアル酸の化学: N-アセチルノイラミン酸について
Kimio Furuhata
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 16 巻 89 号 p. 143-169

詳細
抄録
シアル酸 (Neu5Ac, Neu5Gc, andKDN) は単糖の中で最も複雑な構造もつ化合物である。
シアル酸は分子量320程度の小さな分子にもかかわらず多くの官能基から構成されている。またそれらの官能基が条件によって糖特有の平衡状態とる。このことがシアル酸の合成化学を始めるにあたり難くしている。
シアル酸は種々の試薬に大変敏感に反応する性質を持っているので、目的化合物を合成するには経験的な反応条件が必要となる。
ここでは、既に報告されている沢山の論文の中からシアル酸の中で最も代表的なN-アセチルノイラミン酸についてNeu5Ac特有の反応と基本的な反応の紹介と、簡単な反応によるNeu5Acの挙動からその化学的な多様性について述べる。
著者関連情報
© FCCA, Forum; Carbohydrates Coming of Age
次の記事
feedback
Top